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タイトル
フライ,ダディ,フライ
著者
金城一紀(かねしろ かずき)
総合評価
★★★★☆
発行文庫/価格
講談社/1180円(税別)
あらすじ
鈴木一(はじめ)は、大手家電メーカーの子会社で経理部長をつとめるサラリーマン。学生時代に知りあった妻と、17歳になるひとり娘が唯一の自慢である。ある日、そんな鈴木のもとに、娘が何者かに殴られ入院したという知らせが入る。娘を殴った相手は、ボクシングの高校生チャンピオンで、学校では品行方正で通っているという石原。復讐を決意した鈴木は、包丁を手に石原の通う高校を目指すが…。

「 おっさん、空を飛んでみたくはないか
?」 「はい、とりあえずやってみます…。」鈴木一、47歳。平凡なサラリーマン。破綻した世界を取り戻すための、ひと夏の冒険譚。
極個人的感想
主演:岡田准一、堤真一で映画化決定。著者は『GO』で有名な金城一紀さんだ。

今回の作品のテーマは『まっすぐ見ること。まっすぐ生きること。』だと思う。
普段、たむろするヤンキーの集団を見たら、あなたはどうするだろうか?そして彼らが間違ったことをしているとしたら?(たとえば親父狩りを例にとってもいい。また、いじめなんかでもいい。)「自分じゃなくてよかった。」「見て見ぬふりをしよう。」「はやく終わらないかな」「他のところでやればいいのに。」多くの人がそんな対応をしめすのではないだろうか?

しかしこの物語ではそうはいかない。何しろ娘が暴行を受けるという災いが「自分のこと」として降りかかる。主人公、鈴木一は少しだけ勇気があり、かつ多くの人と同じような行動を起こす。『包丁(ナイフ)での復讐』。しかしナイフでの復讐はほんとうの意味での復讐なのか?本当に見返してやりたかったらやっぱり拳の喧嘩で勝たないと♪と謎の高校生集団に諭されてしまう。

この瞬間からおっさんサラリーマンの地獄のトレーニングが始まる・・・。

残念だったな。せいぜい自分の半径一メートルぐらいのことだけ考えて、のうのうと生きて死んでいけたら幸せだったのにな。そうだろ?

平和(?)に生きてる自分に疑問を抱いている人にお勧めです。