toplinksprofileaboutbbstopicamazon?
タイトル
アイムソーリー、ママ
著者
桐野夏生(きりの なつお)
総合評価
★★★★☆
発行文庫/価格
集英社/1470円(税込)
あらすじ
人はどこまで邪悪になれるのか。
児童福祉施設の保育士だった美佐江が、自宅アパートで25歳年下の夫と共に焼死した。事件の背景に盗み、殺人、逃亡を繰り返す女、アイ子の姿が見える時、更なる事件が引き起こされる。
極個人的感想
小さい頃から売春宿の片隅で愛されることをしらずに育ったアイ子。
きまぐれな娼婦たちからいつもいじめられ、
冬でも押入れの中で布団たった一枚で震えながらすごす、
その歪んだ幼少時代の経験から、アイ子は次第に盗みや、
そして放火、殺人を犯すようになる。
うまくいかなくなったら狆辰轡乾爐脳辰垢茲Δ豊瓩修い弔眈辰靴討靴泙う。
アイ子の憎しみの炎は40代になった今でも盛んに燃えるばかりだ。

この小説、キーとなる松島アイ子の物語を誰か一人の視点ではなく、
多くの登場人物たちの視点から書かれているから面白い。
しかもその話者である登場人物たちにとって、
アイ子は人生のほんの片隅のほうに存在する、ちっぽけな存在に過ぎない。
猜〇禹楡澆農は辰靴討い神古未琉貎有瓩任△辰燭
犁泙砲い覆なってしまったお手伝いさんの代わり瓩任△辰燭蝓

しかし事件が起こり、たちまちちっぽけな存在として認識していたアイ子に対する意識を改めることとなる。アイ子の中に潜む悪魔に気付くのだ。(もっとも彼らは最初からアイ子に対して「気味が悪い」、「きもちわるい」と感じている。ただ、「だから遠ざけよう」、「だからかかわらないようにしよう」という考えには至らないのだ。アイ子は懐に入るのが巧い。)

桐野さんは推理小説でいくつかの賞をとっていることもあり、展開や最後の結びがとても巧みだ。
語り部が次々変わるために(しかもその語り部は性別も住んでいる場所もてんでばらばら)、一つ一つのストーリーがバラバラになってしまい、つなぎが悪くなってしまいそうだが、バトンはしっかり手渡されており、アイ子はしっかり登場する笑
(時には複数の糸が複雑に交差し合い、色鮮やかな織物を成す。)

「犯人はだれでしょーか?」的推理小説に飽きた人にオススメです。
「アイ子のママは誰なのでしょうか?そして何をしてる人でしょうか?」。
このquestionとそのanswerがこの小説の趣旨なのかはわからないけれど、この推理だけでも存分に楽しめる作品でした。